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こんにちは。 交野市の歯医者 きたおファミリー歯科 北尾徳嗣です。
今日は、『歯の神経』の治療のお話です。
歯には1本1本神経が通っています。この神経が冷たさ、熱さを感じ取るわけですが、普段は固い歯に守られているため、神経の存在を自覚することはありません。しかし、むし歯など歯が欠けて穴が開いてしまった場合や歯がすり減ってきた場合などの歯にトラブルが起きた時に痛みとして自覚することがあります。
この神経ですが、そもそもどんな形をしていると思いますか??血管のように一本の管を想像されていると思います。しかし、歯の神経は複雑に分岐、合流を繰り返していて網目状になっています。下の画像の黒い部分が神経の管です。
(歯を縦に輪切りにして墨汁で染めています)
歯の真ん中に1本通っているだけでないことがわかっていただけるかと思います。
むし歯が深くて汚染された場合、この神経の管を歯科医師は掃除してきれいに取り除いていくわけですが、この網目状になった神経を全てきれいにしていくのは、はっきり言って不可能です。
きたおファミリー歯科でも取り入れていますが、マイクロスコープや顕微鏡を使って歯の神経の治療をすることが増えてきましたが、これは神経の入り口を探しています。入り口を見つけるというとたったそれだけ??その入り口の先は??という疑問がわいてくると思いますが、しかも狭い口の中から治療をするので、実際入り口すら見つけられていないことが多いです。
ですから、マイクロスコープや顕微鏡を使うことによってより多くの入り口を見つけることが出来るということです。より多くの神経の管を触ってきれいに出来るので、より治療の予後は良くなります。
(この歯は5つの入り口が見えます。肉眼では3つないし、4つしかわからないです。)
歯の神経の治療をされた方はイメージがわくかと思いますが、針みたいな器具で何回も何回も出し入れされて歯をガリガリして汚染された神経の管を削り取って掃除していきます。
前歯のようにまっすぐな神経の管であればまっすぐな器具が入っていきます。奥歯の神経の管は複雑に曲がっています。ただ、針みたいな器具はまっすぐです。曲がった神経の管にはまっすぐな器具は入っていきません。
きたおファミリー歯科では、複雑に曲がった神経の管にも対応できるようにNi‐Tiファイルを導入しています。このNi-Tiファイルは根管に沿ってある程度、曲がっていきますので、複雑な形の神経の管には非常に有効となります。従来のまっすぐな針で無理して頑張って治療しようとすると管の途中で穴が開いてしまいます。途中で穴が開いてしまうと、菌や汚染物質が入ってきますので、痛みや腫れが取れなければ、歯を残すために神経の管の治療を行ったのに歯を抜かなければいけなくなるといった結果になってしまうことがあります。
初めて神経を取る場合、そこまで汚染されていないですが、
2回目以降に神経の管の再治療を行う場合、汚染は広がっていますので、少しずつ汚染された神経の管を削り取ってきれいにしていくため治療に回数がかかります。無理に治療を進めると穴が開いてしまったり、治療の刺激が引き金となり、痛みの原因になります。
治療している歯にはばい菌がたくさんいて歯の根の外に骨を溶かして巣を作っています。治療中の歯というのは、ご自身の抵抗力(免疫機能)+治療の薬の力(殺菌力)とばい菌が戦っています。ばい菌の力が勝ってしまうと痛みになります。もちろん、痛かったら痛み止めを飲んでもらって構いません。
治療中にもチクチクすることがあると思いますが、これは、(注射器とかを思い浮かべていただけると嬉しいのですが)歯の神経の管は固くて細いので器具を入れた時に空気の逃げ道がなくなり空気が根っこの先から骨の方に押し出されるためにおきます。
神経がないと歯の寿命は短くなります。
感染した歯の神経の管を削って広げているため、歯が割れやすくなります。
噛んだ時の感触は、神経の残っている歯と比べると違います。
神経がないため、再度むし歯になっても気づかず手遅れになりやすいです。
再度ばい菌が溜まりやすいです。
神経の治療を一度でも行った歯は他の歯以上に気を付けていかないと抜歯のリスクが高くなります。
ここまで、神経の管の治療の話をしてきましたが、まとめさせていただきますと、
① 神経は完全には取り切れません。
② 歯の神経の管は複雑で奥歯に行くほど本数が多いので治療に回数がかかります。
③ 神経の治療中は痛みが出る場合が多々あります。
④ 元の神経のある歯とは違う感じが残ります。
⑤ 治療を何回も何回も繰り返せません。
治療のご相談は、 交野市 星田 フレンドタウン内 きたおファミリー歯科 までお願いします。
きたおファミリー歯科 北尾 徳嗣
© Kitao Family Dental Clinic